Any time, any where.

かつて、 スティーブ・ジョブズはこう言った:

…人類がほかの霊長類ととりわけ区別されているのは、 我々は道具を作る種族であるということだ。 まえに一度、地球上のいろんな生物の移動効率について読んだことがあるんだが… 1キロをもっとも少ないエネルギーで移動するのはコンドルだった。 残念ながら、人間はそこでは一覧表のはるか下、かなりがっかりする位置にいた。 万物の霊長として栄誉ある結果ではないよね。ところがサイエンティフィック・アメリカンの ある著者がひらめいて、自転車に乗った人間の移動効率を調べた。 すると人類は圧倒的にコンドルを抜いてしまう。断トツになってしまうんだ。 これこそ、ぼくらにとってコンピュータが相当するものだと思う。 ぼくらにとって、コンピュータというのはもっとも驚くべき道具だ。 コンピュータは知性のための自転車に等しい (it's equivalent of a bicycle for our minds)。… 

で、この発言自体は非常にカッコいいのだが、 はたして「コンピュータ == 自転車説」はどこまで本当だろうか。

いっぽう、 アラン・ケイは こう言っている (抄訳):

…現在のコンピュータは自転車というよりも、むしろ乗用車のようなものとして売られている。 もしこれが自転車だったら、そんなにひどくはないだろう。 なぜなら自転車というのは人間が本来もっている力を利用して、それを増幅するものだから。 しかし乗用車はそうではない。 現在のコンピュータはすべての解法がパッケージとして提供された 状態で売られているので、これはちょうど乗用車が人間の歩く力を削ぐように、 人間の考える力を削いでしまう。私は、 コンピュータが自転車のようなものであると確信できないかぎり、 これを子供の教育に使うようなまねはしない。… 

「コンピュータ」を「インターネット」に置きかえてみても (あるいはこの 2つを合わせてみても)、この言明は成り立つ。 だからといって、そのために世界が滅びるとも思わないが。

それから、コンピュータを自転車と比べるのは環境面からみても ふさわしくない。自転車はエコな雰囲気を感じさせるが、 コンピュータは作れば作るほど環境が汚れていく。 さらにいえば、そもそも自転車がそれほど効率のよいものかどうかも疑問だ。 ロードレーサーのような効率のいい自転車を使うためには、 よく整備されたアスファルトの道路が縦横無尽に走っている平地でなければならない。 そしてそのためのコストは莫大なものになる。 オフロードの山道のようなところでは、自転車はまったくコストに見合わない。

きょうの教訓: 一番悪いのは、信じこみやすい奴だ。

2007年 -12月 (+1)。

— 昔「哺乳類はコストに見合わない」という話をしてた人がいたな。

(via naha) 2007-12-29 (via gkojay) (via petapeta)